国公立・私立大学医学部留年者・ストレート卒業率2019年度ランキング【真の国試合格率とは】

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医学部分析

 全国の国公立・私立大学医学部では、それぞれ特色のある教育が行われています。大学別の比較で特に話題となるのが進級の厳しさ留年者数、そして医師国家試験の合格率です。

 文部科学省のホームページでは、「各大学の医学部医学科の入学状況及び国家試験結果等」として平成25年度入学者の、各大学の最低修業年限での卒業者数や卒業率等が公開されています。最低修業年限とは医学部6年間を留年せずにストレートで卒業したということです。https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/iryou/1324090.htm

 今回はこの資料をもとに、全国の国公立・私立大学医学部の留年者数、ストレート卒業率、真の国試合格率についてのランキングを紹介していきます。

 毎年発表される医師国家試験の新卒国試合格率には、平成25年度以前に入学して留年し、平成31年度に卒業した者も含まれています。そのため、6年間での合格者を反映しているとは言えません。そこでこの記事では真の国試合格率として、留年せずにストレートで6年間で国試に合格した「真の国試合格率」で全国の国公立・私立大学についてランキングを作成しました。

 ※ここでの真の国試合格率というのは、平成25年度入学者のストレート卒業率に平成31年度新卒国試合格率をかけたものになります。しかし、平成25年以前の入学者の留年者で平成31年度に卒業した者、平成31年度卒業生で編入生である者についてのデータが新卒国試合格率に含まれてしまっているため若干名の誤差があることをご理解ください。

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国公立大学医学部の留年者数・ストレート卒業率・国試合格率ランキング

 まず、全国の国立大学医学部の平成25年度入学者の留年者数、ストレート卒業率、平成31年度新卒国試合格率、そして真の国試合格率について紹介します。

「真の国試合格率」が高い順にランキングにしてみました。この合格率は、平成25年度に医学部に入学した学生のうち、留年せずに6年後に医師国家試験に合格した人の割合を各大学ごとに示したものになります。

【ストレート卒業率上位5大学】

  1. 東京大学(100%)  留年者0人
  2. 北海道大学(97.1%) 留年者3人
  3. 秋田大学(96.0%)  留年者5人
  4. 岡山大学(95.0%)  留年者6人
  5. 熊本大学(94.0%)  留年者7人

【ストレート卒業率下位5大学】

  1. 佐賀大学(72.6%) 留年者29人
  2. 群馬大学(74.0%) 留年者30人
  3. 島根大学(76.8%) 留年者26人
  4. 新潟大学(77.2%) 留年者29人
  5. 宮崎大学(80.0%) 留年者22人

【真の国試合格率上位5大学】 

  1. 北海道大学(93.4%)
  2. 東京大学(92.2%)
  3. 秋田大学(91.3%)
  4. 富山大学(89.7%)
  5. 岡山大学(89.6%)

【真の国試合格率下位5大学】 

  1. 佐賀大学(66.8%)
  2. 島根大学(68.1%)
  3. 宮崎大学(66.8%)
  4. 群馬大学(70.5%)
  5. 長崎大学(70.7%)

 気づいた点として、ストレート卒業率が95%を超えている北海道大学秋田大学東京大学岡山大学のうち、東大を除いた3大学は新卒の国試合格率も高水準です。これらに大学は教育のシステムがうまくいっていると推測されます。留年者も一桁です。

 また、ストレート卒業率が低く、留年生を多く出す一方で、新卒国試合格率が高い大学が散見されます。群馬大学、新潟大学、信州大学、岐阜大学などです。これらの大学は、進級を厳しくすることで成績の質が担保された学生のみ国家試験を受験させているとも見ることができると思います。

 一方で、新卒国試合格率が90%を下回っている旭川医科、福井、島根、広島、九州、長崎、熊本、大分、宮崎は熊本を除いたいずれもストレート卒業率が90%を下回っています。これらの大学は進級が厳しく留年者が多いにも関わらず、国試の結果が出ていないといえます。

私立大学医学部の留年者数・ストレート卒業率・国試合格率ランキング 

 続いては私立大学医学部の平成25年度入学者の留年者数、ストレート卒業率、平成31年度新卒国試合格率、真の国試合格率についてランキングにしてみました。

 国公立医学部と同様に、私大医学部も「真の国試合格率」が高い順にランキングにしてみました。この合格率は、平成25年度に医学部に入学した学生のうち、留年せずに6年後に医師国家試験に合格した人の割合を各大学ごとに示したものになります。

【ストレート卒業率上位5大学】

  1. 東京女子医大 留年者数5人
  2. 自治医大   留年者数6人
  3. 順天堂大学  留年者数9人
  4. 産業医大   留年者数8人
  5. 慶応義塾大  留年者数9人

【ストレート卒業率下位5大学】

  1. 帝京大学 留年者数43人
  2. 川崎医大 留年者数30人
  3. 東邦大  留年者数29人
  4. 兵庫医大 留年者数28人
  5. 日大   留年者数30人、近畿大 留年者数28人

【真の国試合格率上位5大学】

  1. 自治医大(95.1%)
  2. 順天堂大(92.3%)
  3. 慶応義塾大学(88.7%)
  4. 東京慈恵会医科大(88.6%)
  5. 東京女子医大(88.6%)

【真の国試合格率上位5大学】

  1. 帝京大(53.6%)
  2. 福岡大(59.5%)
  3. 日本大(62.3%)
  4. 金沢医大(64.0%)
  5. 川崎医大(64.4%)

 以上のような結果となりました。教育に定評のある自治医大、順天堂大留年者数を非常に低く抑えながらも新卒国試合格率が100%99.2%ということで、さすがといったところでしょうか。

 私立大学でも国立大と同様に新卒国試合格率が90%を下回っている大学が、留年者が多い傾向にあります。

 また、私立大学では真の国試合格率が60%を切っている大学も散見され、これは約半数の入学生が6年後に医師免許を取得できなかったということを意味します。留年者数が30人を超えている大学もいくつかありますね。

 実は文科省の基準で、私立大学医学部は医師国家試験の合格率が70%を下回っている大学について、「大学院高度化推進特別経費」の補助金が交付されないことになっています。(令和2年4月20日現在)https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shinkou/07021403/002/002/014/007.htm

 今回のランキングからも、国家試験の合格率が低迷している大学は、進級の基準を厳しくし留年生を増やすことで国試合格率を上げようとしている思惑が感じられます。

まとめ

 いかがだったでしょうか。各大学医学部間で国家試験の合格率が比較されがちですが、近年は合格率をあげるために学内での進級試験や卒業試験を厳しくして、留年させる大学も増えているようです。そのため、ストレート卒業率も加味した「真の国試合格率」がより各大学医学部の実情を反映していると考えるべきだと思います。

 国立大学の平均の真の国試合格率81.1%、私立大学は75.2%という結果でした。医師国家試験の合格率が約90%であるという数字がクローズアップされがちですが、9割の学生が6年間で医師免許を手にできるわけではないという事実は知っておくべきだと思います。

 また、これは平成25年度入学生のデータですが、近年の医学部の進級事情はより厳しく留年者が増えていると、自分の大学や友人の話で体感しています。今後の文科省のデータで明らかになると思うので来年度も分析してみたいと思います。

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